「柏崎は元気か?・・・4」(最終回)

これまで3回に分けて柏崎の「元気度をやぶにらみ」しながら、独断と偏見で分析してきた。加えて、如何にすれば元気になるかについても、行政の予算の面から提言を述べてきた。今回はこれまで論じてきた諸点について、まとめの意味も含め、平成25年度予算審議(平成25年2月定例会)における「討論全文」を掲載したい。

<討論全文>(平成25年2月定例会最終日)

(1) 全体予算から

私は、「議第19号 平成25年度一般会計予算」の採決にあたり、整風会を代表し賛成の立場で討論を致します。

我が国は政権交代とともに打ち出されたアベノミックスが、各方面に期待感と刺激を与え、明るさと元気を感じさせています。その中で、地方に対する対策は、「大型補正15ヶ月予算」と「緊急経済対策」として具体化してきています。

柏崎市が疲弊・沈滞した景気・経済を立て直し、産業を元気にし雇用を守るためにはこのアベノミックスに乗り遅れることなく、積極的な予算編成が期待されるところであります。

そこでまず最初に、予算全体について申し上げたいと思います。

一般会計482億円、特別会計・企業会計と合わせて総額858億円、予算規模で対前年比 △ 5.0% の縮小であり、近年の漸減傾向に歯止めがかかっていません。残念ながら、この予算から 成長発展や景気・経済の底上げを望むことはできないと申し上げたいのであります。

この度の予算規模縮小の要因として、刈羽村からの水道事業負担金がなくなった事や税収不足、国の予算編成遅れ、原子力発電所運転停止による核燃料税交付金が見込めないこと等を挙げていますが、極めて消極的と言わざるを得ない。

今日、全国大方の地方自治体を取り巻く環境は厳しいと言えるでしょう。分けても柏崎市の場合は大変困難な状況にあり、置かれている環境や景気・経済の現状を直視する時に、国の動きを取り込んだ増額予算の編成こそ、必要にして最低限の対策と考えるところであります。

因みにお隣の長岡市では、スローガンからしてその意気込みを感じさせるものであります。つまり「国の大型補正予算と一体化」として、「切れ目のない経済対策を宣言」し、「地域経済の下支え」を打ち出しています。事ほど斯様に積極予算が必要だということを指摘しておきたいのであります。

(2) 施政方針との整合性

次に、施政方針と予算の繋がりについて申し上げたいと思います。

施政方針の冒頭では、「本市は今、持続可能な発展を維持していく、その行く末を決める重要な岐路に立たされている。」と述べた上で、「疲弊している地域の経済・産業・雇用を守ることが必要」としていますが、その覚悟・決意の程が予算に反映しているとは言い難く、言葉だけが空しく響く思いであります。

(3) 労働費、農林水産業費、商工費

その観点から予算の中を見て見ますと、最初に目に付くのは5款労働費、6款農林水産業費、7款商工費であります。

これらは、軒並み減額予算であり3款合計1,938百万円で19.2%のマイナスであります。これでは「産業・経済・景気対策に力が入っている」と言うことは出来ません。

産業振興にかかる予算が20%近くも減額していては、元気が出るのでしょうか? 地域経済の下支えが出来るのでしょうか?

このことについて、委員会審査の過程で示された質疑の中では、夫々、商工振興費 844百万円で19.1%のマイナス、農林水産業費 862百万円で38.7%のマイナスについて、

① 商工振興費では預託金の減額であり、他の事業費は変わっていない。

② 農林水産業費では緊急経済対策で24年度に前倒ししている為。

との説明がありましたが、

金融円滑化法が期限切れとなる中で、代替の資金需要に応ずることが出来るのか? 新たな資金需要には如何に対応するのか? 心配されるところであります。

また、緊急経済対策の前倒しによる予算の縮小については、公営企業会計も含めて全体で14億円としていますが、景気・経済対策に加えて、この大型補正予算の趣旨・目的から考えると、山積する市民ニーズを取り込み、新規事業の芽出しを工夫しながら、14億円そっくり上乗せする形の予算編成こそが必要だということを強調しておきたいと思います。

(4) 土木費

続いて8款土木費であります。表面的には6,129百万円で対前年比7.0%の増額予算でありますが、そのうち2,916百万円は下水道事業会計繰り出し金であり、実質土木費は3,212百万円で対前年比12.5%のマイナスとなっています。

つまり土木費全体の47.6%にも上る大きな金額が、他会計繰り出し金充当額であり、真水の土木費は大幅に縮小されているというのが実態であります。

限られた予算を有効に措置し最大の効果を期しながら地域経済の底上げを図るためには、長岡市の例に見るまでもなく、「国の大型補正予算と一体化」の考え方がここでも大切でありますし、経済波及効果の大きい土木・建設関係費ということからも、施政方針とは裏腹の予算措置と言わざるを得ません。

(4) 原子力発電所に対する姿勢

次に、原子力発電所に対する基本姿勢と向き合い方であります。「安全性の確保」につきましては、全市民・全国民が共有する合意事項であります。さらに、将来的に「原子力発電所に依存しないまちづくり」も大方の賛同を得ることが出来るでしょう。しかしながら、「それまでどうするか?」が重要であります。

現に予算に与える影響は大きく、施政方針の中でも歳入減の要因として核燃料税を挙げています。また、先般示された使用済み核燃料税の継続に関する合意の知らせには、皆一様に「ホッとした」ことは、本音の部分で否定できない事実ではないでしょうか?

つまり、立地自治体として、当面目の前の原子力発電所と如何に向き合うか?再稼動はどうするか? 態度を明確にすることなく時間だけを引き延ばし続けることは許されないと申し上げたいのであります。

このことについて、先の総務常任委員会で極めて象徴的かつ重要な議論が交わされました。「明日のエネルギーを考えるシンポジュウム」に関する質疑であります。

第一義的にはシンポジュウムの計画や中身、費用対効果の議論でありましたが、「まちづくりのビジョンや方向性」「エネルギー対策に取り組む姿勢」についての追求、議論が展開されたわけであります。

これに対して、担当する部長・課長は一生懸命答弁していましたが、基本的にそこには限界があり、無理があります。その責めを果たすべきは、一に掛かって市長以外にないということを、改めて強く指摘しておきたいと思います。

(5) 評価する点

次に申し上げたいことは評価であります。防犯灯のLED化助成事業に踏み出したことは多としますが、費用対効果や実効性等々、代表質問、一般質問での議論を踏まえた事業の組み立てには今後の課題を残していると申し上げたいと思います。

また、教育委員会では北条小学校改築工事や学校施設長寿命化事業、グランド補修事業に踏み出すなど、地域の要望に応え、経済効果にも期待できる等の予算措置がありましたこと、また民生福祉分野では、高齢化社会の進行や新しい疾病・疾患の増加する環境下、油断すると肥大化する一方の予算を精査し、抑えながらの予算組みの後が窺える点を評価したいと思います。

その他の、個別政策については、他の討論者に譲るとともに、今後の議会審議の中で議論を続けて行きたいと思います。

そして、新規事業・重点事業の中には、各担当課の創意と努力が窺える事業が見られること、限られた財源の中での予算編成に「苦労をした」であろう各位の汗を多としながら、予算の成立が遅れることによる、市民生活に与える影響に配慮して、賛成の討論といたします。

以上が討論全文であります。

(6) 予算が可決しなければ、柏崎市は動かない

申し上げるまでもないことだが、市議会では提案された議案一件々々について、慎重かつ真剣に審議をしている。その流れは委員会審査を経て最終日本会議で採決されてはじめて、市当局が行政執行できることになる。特に新年度予算を決定する2月定例会議は、毎年2月下旬に開会し3月下旬までの1か月余の間、熱い議論を展開する。その結果予算が可決してはじめて柏崎市の新年度が動き出せるということである。もしこれが否決されるということになると、大変なことになる。市長が提案した1年分の予算案が否定されるということは、市長の不信任にも繋がることであるからだ。

だから、この新年度予算が可決すると市長は副市長や部下を伴って、議会各会派の部屋にお礼の挨拶に回ってくる。それ程重要な出来事であるということだ。

さて話を戻そう。討論であるが、議会最終日本会議の前に、討論が行われる。この討論では、1カ月余をかけて審査議論をしてきたことを、各議員や会派の立場や主張を踏まえて訴えるものである。換言すれば、市当局に対して予算執行に関する「注文」をつけているのである。当然ながら、市長局ではこの声を重く受け止め、行政運営に反映しなければならない。なぜならば、これこそまぎれもない「市民の声」だからである。ところで、市当局はそうしているだろうか??? 「言いっぱなし、聞きっぱなし」になってはいないだろうか??? その判断は読者各位の今後の慧眼にゆだねたい。もちろん、弊サイトでも機会をとらえて情報提供をしてゆきたい。

ここまでお読みいただき、大変ありがとうございました。次は稿を改め、柏崎を元気にする方法について、「政策」の観点から考えてみたい。引き続きご愛読いただければ幸甚の極みであります。
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