市長の責任とは?

市長文書にみる「市長の責任」について
       
1 市長文書「東京電力適合審査申請について」を読んで
       
先般、柏崎市長名で「東京電力による適合審査申請について」と題した文書(10月5日配布「広報かしわざき」に折り込み)が、市民宛に配布された。この文書には「市民の皆さまに私の考えをお知らせします」と記されている。申し上げるまでもなく、市内全世帯に配布されたものだから、既にお読みになられた方も少なくないであろう。そこで読者各位にお聞きしたいことがある。それは「この文書から『市長の考え』が読み取れたであろうか?」ということである。この文書は、「A4サイズ裏表4頁」で埋め尽くされている。紙面の容量としては「考えを述べるに十二分」である。しかるに何回読んでも、私には最初から最後まで「市長の考え」は読み取れないのである。
   
2 経緯を並べただけ
    
この文書では「中見出し5項目」にまとめられ、それぞれ解説風に説明がなされているが、全体を通して言えることは、この度の東京電力による適合審査申請に関して「これまでの経緯を並べた」に過ぎないのである。つまり、この件に関するここまで一連の動き=原子力規制委員会への申し入れ、市議会々派代表者会議での説明、その後のプレス発表(記者会見)、市議会9月定例会議一般質問でのやりとり等々=について、時系列で並べているだけである。重ねて言うが、市長の考えと思しき記述は見当たらない。「安全は大事だ」「シビアアクシデント(過酷事故)は起こしてはならない」と言っているだけだ。これをもって殊更「私の考えだ」と胸を張る事柄ではない。当たり前のことだ。これならわざわざ広報に折込み全市全戸に配布する必要もないし、だいいち紙や労力の無駄である。何故ならば、この文書に記載されていることは、既にマスコミにより報道されていることであるし、議会でも折に触れ説明されたことである。大方の市民は既に知っていることであるからだ。
     
3 大切なことから逃げている
      
大切なことはこの度の「東京電力適合審査申請」について賛成か反対か、或いは「もっと別の考えを持っているか」である。さらに言うならば「再稼動に賛成か反対か」ということである。何故ならば、この適合審査申請の先にあるのは「再稼動」であることは誰の目から見ても明らかだからだ。「再稼動は認められない」と言うのであれば、適合審査申請についても「NO」と言えば済むことである。ところが、この点に関しても、「適合審査申請に了解」を示していながら、「再稼動を認めるものではない」と言っている。これでは「市長の考え」は何処にあるのかさっぱり解らない。だから某開業医のように「怒りの投書(8月8日柏崎日報『響』欄参照)」をする人もいるし、同じ気持ちを持つ市民も決して少なくないのである。私のところには「市民を愚弄するのもいい加減にしろ」との声さえ届いているのである。(※このことに関しては9月3日掲載の「政界やぶにらみ(5)おかしいぞ柏崎市長と反原発議員」、及び9月10日掲載の「政界やぶにらみ(7)おかしいぞ反原発団体」でも触れているので、ご参照いただければ幸いである)
                  
4 市長はトップリーダーの責任を果たせ
                    
このように、柏崎市のトップリーダーたる市長が市民に向けて「私の考えをお知らせします」と記しながら、その考えの一端も見えない文書を配布したり、「白とも黒ともとれる発言」をして、市民を惑わせ混乱させている現状を見ると、いったい「市長の責任は何処にあるのか?」と言わざるを得ない。この点に関して、お隣の刈羽村長の言動は極めて明解である。「安全基準を満たせば、再稼動も受け入れる。」と言うのだから。これこそが、首長たる地位に座る者の姿勢であり責任であると、強く指摘しておきたい。(※自治体の長のことを「市町村長の他、組長、首長」という呼び方もする)断っておくが、私はこれら一連の案件について「賛成だから良、反対だからダメ」と言っているのではない。要は「はっきりしろ」と言っているのである。白か黒か判断できないなら「分からない」もしくは「迷っているから答えが出せない」と言えばいいのである。それがトップリーダーの仕事であり、責任ではないか、と言っているのである。(尤も、「分からない。答えが出せない。」では市長の責任を果たしたことにはならないが・・・。)後は市民が判断する。市長の判断、行動が「市民の意思に沿っているのかそうでないのか?」、最後は市民が判断する。それが民主主義だ。市長は与えられた職責に従い、責任ある説明と行動を取るべきである。老婆心ながら重ねて断っておくが、私は市長に対して「個人的好悪感情」を持って言っているのではない。市長という職責が「市民の生命財産と柏崎市の興亡に重大な影響と責任を持つから、その責任を果たせ」と言っているのである。市井の一市民であれば何も言わない。

申し上げるまでもないことであるが、原子力発電所にかかる問題は極めて重要且つ大きな問題である。であればこそより一層、市長は曖昧な態度をとることは許されないのである。そのことを重ねて強く指摘しておきたい。

以上、今回はここまで申し上げて、後は読者各位のご判断ご意見を仰ぎたい。尚、「市長の責任」については、テーマを捉えながら随時掲載したいと考えているので、今後も引き続きご愛読いただければ幸甚に存じます。