新庁舎建設論議を斬るー柏崎市役所庁舎

1、新庁舎建設の話題が

約1年程前からであろうか、市役所新庁舎建設の話題が市民の口の端に上るようになってきた。038現在の庁舎が建設されたのが昭和43年(1968年)だから、もう45年が経過している。老朽化も進んでいるし、耐震補強工事により10年から15年の延命を施して使用している状況だから、現状のままで使用に耐える期間はそう長くはない。また、機能面や使い勝手の点でも、何かと不都合が出てきている。特に災害時の対応や、司令塔機能の面では、甚だ心もとない状態といえよう。 

2、道路が弱点

それに交通アクセスが良くない。拙筆の経験を紹介すると、7年前の「中越沖地震発生」の時043のことだ。地震発生後、地元である比角地域をグルリと回り、市役所に着いたのが1時間後であった。その時はスンナリと到着できた。そこで「避難所6か所分の水」を確保し車に積んで配った後、再び市役所へ向かったのだが、今度は既に車が渋滞していて、辿り着くことはできなかった。その時間が地震発生から約1時間30分後のことである。その時の状況では緊急自動車(消防車や救急車・パトカー)も通ることはできなかったと思う。市役所までは道路が狭い上に入り組んでいる。市民なら裏道も分ろうというものだが、車では、災害時には役に立たないのが、裏道・脇道である。ましてや、市外から応援に駆け付けてくれた人達は容易に市役所に辿り着くことは困難であろう。つまり、現在の市役所は災害時の道路確保が大きな弱点になるのだ。

3、公共施設白書

話を本題に戻そう。丁度この時期(昨年の下半期)、市当局では「柏崎市公共施設白書」の作成に取り掛かっていた。それらのことも相俟って巷間話題に上ってきたということか。しかしながら、この庁舎建設はそんなにのんびりしていていい話ではない。市政運営は勿論のこと、危機管理の基本中の基本である。市民の生命・財産に直結する問題である。その意味で、市民各位にも大いに関心を持っていただかなければならない。

4、基金の積み立て

市では今年度(平成26年度)から、建設のための基金積み立てを始めた。この先10年を目途に「年3億円ずつ」積み立てるということだ。つまり目標30億円だ。聞くところによると建設資金の50%は自己資金が必要だということだ。建設には全部で100億円程かかるという話もあるので、仮にそうだとして、50億円が必要ということになる。そうすると、20億円足りないことになるが、これも大きな問題である。

5、旧日石跡地が最有力か

更には、場所の問題がある。去る、7月1日に第一中学校区で地域懇談会が開催され、この件が議論になっている。柏崎市HPの記録によると、「旧日石加工跡地は浸水の危険がある。012近年は人口の中心が茨目方面に動いているから、新庁舎もそちらに動かしたらどうか?」という声に対し、市長は「問題点を整理して市民に説明したい。」としながら、「現在の場所は建築基準法の関係で難しい。柳橋にポンプ場ができてから浸水はあまりしなくなった。市街地では旧日石加工跡地しかない。」 と言っている。中央地区(第一中学校区)としては、現庁舎立地地域であるから当然関心は高くなろうというものだ。その時の議論によれば候補地としては現在地・旧日石加工跡地・茨目地区という具体名が登場している。そのうち市長のこれまでの「言い方」を聞いて、どうやら「旧日石加工跡地」が最有力だ、と受け止めている向きが少なくない。そこで議論になるのが、それだけの用地があるのか???という話だ。既にかなりの部分が切り売りされ、宅地分譲や有料老人ホーム、介護付き老人居住施設の建設が進み、残余の面積は狭くなっている。そこに多様化した市民ニーズに対応するとともに、災害時対応機能や駐車場を備えた新庁舎を建設するに十分な土地面積があるとは思えない。当然市民の疑問もそこに集まってくる。市長は「問題点を整理したら、市民に説明する」としているが、そこには「まちづくりのビジョン」と施設整備と活用の「将来展望」を踏まえた、新庁舎建設計画がなければならないと申し上げておこう。